腎臓の働きC体内の水分量と電解質の調節
- 腎臓の基礎知識
尿量を調節して身体の水分を一定に保つ
私たちの身体の約60%は水分(体液)です。その内訳は、細胞内に約40%、細胞の外側に約20%存在しています。このように、身体の多くを水分が占めているわけですから、その量を調整することは非常に重要な意味をもっています。水分のバランスが乱れると、生命を維持することができなくなるからです。体内の水分量を調節することも腎臓の大切な働きの1つです。
腎臓で尿をつくっていることは既に述べましたが、そのとき腎臓の尿細管(にょうさいかん)では再吸収をしたり、排泄する量を調節する仕組みになっています。たとえば、お酒やお茶などをたくさん飲んで水分を多く摂った時は、腎臓はたくさんの尿をつくって排泄します。逆に、運動をして大量の汗をかいた時や下痢をして体内の水分が多く失われたときなどは、尿をつくる量を抑えて体内の水分量を維持するように働くのです。
腎臓には、尿を濃くする濃縮力と、尿を薄くする希釈(きしゃく)力があり、身体の状況に応じて臨機応変に対処しながら、体内の水分量を一定に保っているのです。そのおかげで、私たちは生命を維持することができるのです。

体内のナトリウムなどの電解質の濃度も調節
腎臓はまた、体内の電解質の調節も行っています。細胞の外側にある細胞外液には、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウム、重炭酸、リン酸などの電解質の濃度が一定でないと細胞は正常に働くことができません。したがって、水分量だけではなく、これらの電解質の濃度を保つことも必要なのです。
ナトリウムを例にとると、細胞外液では、0.85%濃度に保たれていますが、その正常値からプラス・マイナス0.05ポイントの範囲内になるように腎臓が調節しています。たとえば、食事で塩辛いものをたくさん食べたりして、体内に余分な塩分が多くあるときは尿として排泄させます。逆に、塩分が不足しているときにはナトリウムの再吸収を促したり、排泄を抑えるように腎臓がバランスをとっているのです。
さらに、体液の酸性・アルカリ性のpH(ペーパー)調節にも腎臓は関係しています。人間の体液は中性〜弱アルカリ性に保たれていないと、細胞が働くことができません。酸性やアルカリ性に強く傾くと、さまざまな酵素がうまく働けなくなってしまうからです。そこで腎臓は、水素イオンの尿への排出を調節することによって、酸性・アルカリ性のバランスをうまくとっているのです。
こうした腎臓の働きによって、体液のpHバランスを良好に保つことができるのです。